人間力の研究

言葉に踊らされない。

masaru

言語化をする時にこれを意識するようになってから、言語化が随分と楽になりました。どんな言葉も、必ず相対的であり、観察者(本人)ありきの関係性で作られているのです。人間が持つ概念に、あとから名称をつけたもの。それが言葉の正体です。

例えば、JW的にはもっとも関わりが深い言葉「愛」。愛という言葉は、人間に欠かせない概念のひとつで、関係性において意味がコロコロ変わる面白い言葉です。この言葉の本質は「己がある対象を求め続ける欲求」です。本人と対象の相対関係によって、この本質を持つ言葉は多種に使い分けられます。

自分にとって都合の良い関係では

  • 愛情: 親しみや思いやりの気持ち。特に親子や家族、友人間で感じる深い情愛。
  • 恋情: 恋愛に関する感情。異性に対する情熱的な愛。
  • 愛慕: 強く慕い、愛する気持ち。尊敬や憧れを含む愛。
  • 親愛: 親しみと愛情を感じること。友人や家族間での温かい感情。
  • 尊敬: 他者の人格や行動を高く評価し、敬う気持ち。
  • 思慕: 遠く離れた人や過去の出来事に対する懐かしみや愛情を込めた思い。
  • 同情: 他人の苦しみや悲しみに対して共感し、助けたいと思う気持ち。

自分にとって都合が悪い関係性では

  • 固執: 自分の考えに強くこだわり、譲らないこと。
  • 独占: 他者に分け与えず自分だけのもの。
  • 依存: 他者や物事に頼り切り自立しない状態。
  • 嫌悪: 強い不快感や反感。
  • 憎悪: 深い敵意や嫌悪感を持つこと。
  • 怨恨: 過去の出来事に対する恨みや憎しみの感情。復讐心を伴う。

どの言葉にしても「己がある対象を求め続ける欲求」を相手との関係性において表現した概念です。そう考えると「偽りの愛」なんて言葉は、実に複合的な言葉で、本人が期待通りの行為を得られない時に生まれる感情を表した言葉だったりします。

例えば、相手に対して犠牲を捧げていると思っていたが、その見返りが返ってこない、もしくは見返りが期待外れであった場合に、「偽りの愛」と感じます。この感情は本人の期待と現実のギャップから生まれるものであり、愛を動機とした相対的な言葉と言えるでしょう。

言葉は人間の概念から生まれることを理解してからは、言語化が楽になりました。物事の正しい状況を分析するにも、自分の感情や関係性を整理するにも、言語化は非常に便利です。言葉に踊らされないことが、生きやすさのコツの一つだと思います。

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ヤマモトマサル
ヤマモトマサル
ラボ所長
自分が感じた謎を探求することが好き。理論的思考が得意だが、直感や当たって砕けろの精神を大切にしている。ラボと称するアトリエで好きな事に没頭して過ごすことが多い。
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